「懐かしさ爆発!」東京マルイ 造るモデルガン ワルサーP38 & ロングバレル ~その4:発火~
前回までで組み立てを終えましたので、いよいよ発火です(^-^)
特徴的なカートリッジへの火薬装填から発火や発火済みキャップ火薬の処理、他のキャップ火薬を使用できないか書いていきます。
キャップ火薬装填
まずはキャップ火薬の装填です。
ある意味、造るモデルガンシリーズ最大の山場でございます(;^ω^)
とりあえず、今回使う道具はこちらになります。
5mmMGキャップ火薬に、カートリッジ8発、黒いものがローダー。
そして、マルイブローバックシステムのキモ、ブローバックキャップです。
このブローバックキャップ、くぼみに5mmキャップ火薬を仕込めるようになっております。
こんな感じに5mmキャップ火薬を内部に仕込みます。
小学生のころは、これ専用の「7mmマグナムキャップ」が販売されていて、こんなことしなくても火薬をランナーから切り離すだけで使用できました。
絶版と同時に火薬も絶版になってしまったため、今回は5mmMGキャップ火薬で代用しています。
さて、他社の閉鎖系カートリッジは2ピース以上の金属部品で構成されておりますが、東京マルイ 造るモデルガンシリーズのブローバックカートリッジにおいては下記画像の一個となります。
賢明な読者のみなさまならこんな疑問を持つでしょう。
「あれ、1ピースでどうやって発火ガスを漏れないようにするんだ?」
普通、閉鎖系ブローバックカートリッジと言えばMGCのCPカートリッジしかり、マルシンのPFCカートリッジしかり、タナカワークスのエヴォリューションカートリッジしかり、何らかの金属部品にOリングなりがついて発火ガスを閉じ込めるようになっています。
ならば、東京マルイのはオープンカートリッジかというと、個人的にはそうではないと思っています。なぜなら、キャップ火薬は火薬面を下向きに装填するからです。
答えは、先ほどのブローバックキャップ、キャップが分厚くなっていて、ちょうどPFCのプラグのような役割を果たすのです。
さて、PFCみたいな閉鎖系、かつ火薬面を下向きにと聞くと、「このカートの中身がどうなっているのか」、というのも疑問に思うと思います。
こちらが中身の画像です。
内部にピンが立っております。
おい、まさか・・・と思ったあなた、正解です。
実は、このカートリッジ。専用のローダーで天に向かってそびえたつピンに向かって、火薬面を向かい合わせて押し込むのです!
しかも、ブローバックキャップがOリングの代わりをするため、カート内面とブローバックキャップ外径がタイトで装填にはかなり力がいります。
総括すると、
天高くそびえたつピンに向かって、
火薬を向かい合わせにしながら、
思いっきり力を込めて、
人力でおしこむ
という(生物学的に)胸の高鳴りがとまらない火薬装填方法なのです!
小学生のときもどきどきしましたが、いろいろ勉強してしまっている大人になってからはドキドキも倍増。
あまりにドキドキしたので耳栓をして外界の刺激を減らす工夫をしたほどです。
こんな装填方法ですが、手元できれいな花火が上がることもなく無事に装填を終えました。
発火
さて、心臓に悪いキャップ火薬装填を終えましたので、いよいよ発火です。
今回は純正ブローバックキャップのほかに、7mmMGキャップ(金キャップ)、7mmMGキャップの底上げをしたもので発火しました。
また、ブローバックキャップはキット付属の60発分しかないための再利用実験も行っています。
さらに、それらの発火を終えて、チャンバーが汚れてきた状態で再び純正ブローバックキャップを使って発火してみました。
ブローバックキャップ+5mmMGキャップ火薬(8発)
動画のとおり、前半に不発、後半に暴発が起きております。
不発については、このブローバックシステムの構造を考えると、カートリッジとブローバックキャップのがかなりタイトであるので、ある程度持病なのかなと思っています。
暴発は予想外(^-^; まるでグロック18Cみたいになってる・・・
キャップ火薬装填時に綿棒で薄くシリコンオイルを塗っておいたので、そのせいかもしれません。
暴発が足を引っ張ったのも相まって、発火成功率は25%です。
ただ、他社のキットモデルも火入れ当初はこんなもんです。そういう意味では、最終的に全弾発火しているこのモデルは調子のいいほうだと思います。
ブローバックキャップの再利用(4発)
後述しますが、装填方法も特殊なら、発火後の分解方法・・・というよりはこのモデルの場合はキャップ火薬の取り出し方法も他に類を見ないものになっております。
取り出しにはどうしてもブローバックキャップに穴をあけないといけない構造になっていますし、ブローバックキャップ側面を高音の発火ガスが通過するため、発火後の側面はこんな感じに焼けただれてしまいます。
しかし、絶版品である以上、ブローバックキャップの数に限りがあるので再利用できないかテストしました。
発火数は4発。2発目がストーブパイプジャム。3 , 4発目が暴発しました。
おそらく、ブローバックキャップ側面の変形によって
前者はガスシール性能低下が起こり後退量不足から排莢不良、
後者は摩擦力低下でキャップが動きやすくなったためと考えられます。
ですが、きちんとブローバックし、キャップの破裂なども生じていないことから、十分再利用できると考えられます。
7mmMGキャップ火薬(8発)
ブローバックキャップは数に限りがあるので、現在でも流通している7mmMGキャップが使用できないか試してみました。
結果としては、発火後キャップ火薬のうちがらがカートリッジから飛び出してしまい、写真のようにチャンバーに張り付いたり、次弾に入り込んでしまったりするトラブルが頻発。
実に8発中7発がキャップが飛び出す結果となってしまいました。
カートリッジ先端が少しすぼめられていて、分厚くてかたいブローバックキャップが発火ガスで膨張して飛び出そうとしたときに、すぼめられている部分に引っかかることによって、飛び出しが防止される構造なのですが、通常のキャップですと柔らかすぎて変形し飛び出してしまうようです。
その証拠に、キャップ火薬で発火ガスが遮られない分、発火音が大きく感じられました。
しかし、この状態でもブローバックはします。
7mmMGキャップ火薬底部をかさ上げして発火(4発)
お次は、7mmMGキャップになんらかの加工をして使えないか試してみました。
キャップ側面に肉を盛るのは難しいので、とりあえずキャップ底面に、うちがらの底面を瞬間接着剤でくっつけてみました。
結果はご覧の通り。まるで効果がありませんでした。
やはり、純正のもののように、分厚くて材質が固めでないとうまくいかないようです・・・。
上記発火を経験した上での発火(ブローバックキャップ+5mmMGキャップ火薬(8発))
上記の発火を経験して、いい感じにチャンバーが汚れてきたので、再びブローバックキャップ+5mmMGキャップの組み合わせで発火してみました。
なんと、発火成功率が上昇する結果に。(母数が少ないですが・・・)
これについては、後述するファイアリングプレート変形が深くかかわっていると考えらえます。
どうも、ファイアリングプレートが変形しスムーズに前進しなくなった結果、不発が増大し、スライド前進反動によるファイアリングプレート前進がなくなったので暴発しなくなったようです。
発火後の様子とキャップ火薬処理
発火後のファイアリングプレートまわりです。
写真の穴がファイアリングプレートとエキストラクターを挿入する穴なのですが、変形しています。
発火により、猛烈に後退するカートリッジがファイアリングプレートを押し戻したことにより、ファイアリングプレートがスライドに激しく衝突し変形したと考えられます。
スライド上部には亜鉛合金製のウェイトが挟み込まれていて、この部分で衝撃を受けるようになっているのですが、変形により内側に肉が盛り上がっていたため、動きが渋くなっていました。
とりあえずあちこちやすりでけずって、幾分かマシになりましたが、まだ動きが渋いです。
ファイアリングプレートについては、ヤフオクなどでスペアパーツが出品されているのを見ると、この部分の負荷によって破損することがありそうですね。
さて、発火後のカートリッジはこんな感じになっております。
オレンジのキャップが役目を果たし、カートリッジ先端のすぼまりに止まっています。
これ、結構しっかり引っかかっているのと、キャップだけ持てるほど出っ張りがないので手では取ることができません。
どうとるかというと、
こんな針をキャップに突き刺して、ねじるようにして引っ張りだします。
こんなやり方なので、キャップにどうしても穴があいてしまうのです。
ちなみに、再利用したのはこの方法で取り出したキャップになります。
ですが、たまにはこんな状態の発火済みカートリッジも存在します。
元々発火後にキャップが奥に入り込んでいたり、針で上手く穴をあけることができず奥に押し込んでしまった場合です。
こういう時は、キット付属の下の写真の金具が大活躍します。
どう使うかというと、下記のように使います。
- 金具をペンチなどで持つ
- 火で十分あぶる
- キャップに突き刺す
- 十分冷えたら、金具を引っ張り上げてキャップを取り除く
・・・熱でキャップを溶かして貫通させ、後で引っ張り上げるという、とてもワイルドな方法。
間違っても不発カートリッジにやってはいけません!
さて、今回は幸運なことに最終的な不発カートリッジは発生しませんでしたが、このカートリッジシステムでどうやって不発を処理するのか疑問に思う読者の方もいらっしゃるかと思います。
答えは、爆破処理です。
個人的に避けたくて仕方がない方法なので紹介しませんが、キットには不発弾処理用のステンレス棒が付属しており、ローダーの押し込む方にその棒を通し、キット付属の厚紙で作った円盤型の爆風シールドをローダーにつけて、ステンレス棒を火薬に当て、棒をハンマーでぶったたいて爆破処理します。
小学生の頃に一度やったのですが、心臓に悪すぎてもう二度とやりたくありません。
3000円と安価な分、色々と犠牲にしているのです・・・。
まとめ
以上が、東京マルイ 造るモデルガン ワルサーP38ロングバレルの発火でした。
発火音はCPほどではないものの十分大きく、ABSスライドですが亜鉛合金製の大きなパーツをスライド内部に挟み込んである構造も相まって、反動も十分あります。
なによりもガス抜けがよい!シングルキャップのオートマチックモデルでは一番なのではないでしょうか。
他社のキットモデルが1万円くらいするのに比べれば、たった3000円で組み立て甲斐がしっかりあり、ここまで動き、迫力ある発火が楽しめる造るモデルガンは傑作と言って過言ではないと思います。
本当に生産中止が惜しまれます。5000円くらいしても買うんだけどなぁ。
とにもかくにも、組み立てから発火まで本当にワクワクする傑作モデルガンキットです!手に入れる機会があれば、多少高くとも組み立ててみる価値は十分あると思います。
その際は、くれぐれも接着剤はケチらずこれでもかというくらいつけてください(^-^)
たまたまこのサイトにたどり着きました。マルイの作るモデルガンなんて懐かしいですね。
マルイのモーゼルをフルで10発撃つために、マガジン・フィーディングランプ・ハンマーピン・カートのピン等々をひたすら改造して7~8発くらいまでフルで撃てるようになった時には、プラの部品が割れて撃てなくなった悲しい過去を思い出しました。
コメントいただきありがとうございます。
マルイ モーゼルで7~8発のフルオート、すごいですね!!
懐かしいなぁ。
マルイのモーゼルは私も購入しました。
中学生のときだったと思います。
フルオートに惹かれて(^-^)
不発が多くて、色々いじくりまわした挙句、
マルシンのMP40用カートリッジを使用できるようにしました。
当時、小学生の頃に作り、その時にフィードランプを削ってしまった
マルイ ワルサーP38のMP40カートリッジ化に成功していたので
同じようにできるんじゃないかとやってみました。
カートリッジの前進抵抗が、マルイより小さいはずなので、
不発が減るんじゃないかとやってみたんです。
結果はだめだめでした。
思うに、あの薄いファイアリングプレートでは、
発火に必要な打撃力を十分カートに伝えきれなかったのではないかと思います。