モデルガンの研究は「タイムカプセルづくり」

こんにちは、しょうです。

今日はなんとなく思った事を
書きたくなったので書きます。

「こちとら他人のボヤキに付き合ってる暇ないぜ!」
って心境の方はスルーしてください。


僕はサラリーマンをやりながら
モデルガン研究のメルマガを運営しているのですが
昨日、仕事納めとなりました。

今年の年末は、

仕事で嫌な役員のいる部署に上司共々振り回され、
プライベートでは家族内で新たな問題が発生し
(僕は独身なので親兄弟で問題発生)

公私共に、心身ともにぐったりって感じです。

もう何もやりたくないよ〜って。

今朝も、せっかくの正月休み初日だというのに
布団の中でずっと、

「いやだー、いやだー」

とずっとつぶやいてました。

(1/2に帰省で実家帰るのですが、
その時に「問題」と向き合うことになるので、
それがいやだー、という意味です。
発狂したわけではございません(笑 )


メルマガでずっと続けています、

モデルガンそのものの研究や
その実証試験となるガスガンのモデルガン化も

こんな状態だったのでほとんど進んでいません。


で、こんな何もかもいやだー、
やりたくないよーって状態でも

「モデルガン化の続きたくさんできるなぁ」

って考えると、少し気持ちが前向きになりました。

趣味って、すごいです。


そういえば、Twitterで
フォロワーさんがこんな感じの事を呟いていました。

「モデルガンはエアガン・ガスガンに
置き換えられていって2000年代の時点で、
「ああ、もうこの趣味は終わるんだなぁ」って思ってた。

今は少し盛り返しているけど、

これはメーカーの社長さんたちの強烈なこだわりと
それに食らいついてくるマニアたちがおりなす、

奇跡の延命措置なんだ。」

これについて、たくさんの方が
いいねや、返信を呟いてました。

僕もこれをみて、このメルマガで行っている、
モデルガンそのものの研究をやろうとした時に
心の奥にずっと思ってた事を思い出しました。


僕がモデルガンを始めたのは、小学生の時。

通っていた模型店に置いてあった
マルイの造るモデルガンが初めてでした。

ちょうど、2000年ごろの話です。

そこから中学、高校、大学と
ずっと続く趣味になっていくのですが、
やっぱり、フォロワーさんと同じく

「この趣味ってこの先続けられるのかな?
作ってくれるメーカーなくなっちゃったりしないかな?」

という心配はずっとありました。

正直、機械設計を学んで、メーカーに就職し、
製品設計やコストの出し方を体験した今では
ひしひしと感じています。


メルマガで展開している研究をやろうとした
大きな理由の一つが、実はこれに関係しています。

「作る人がいなくなって、この趣味が途絶えたとする。

そうなっても、また作れそうになった時に
職人技がなくても作れるように

基礎理論を作っておいたら、
ちょっとは役に立つかもしれない」

今のモデルガンメーカー、というか、
下手すると日本の製造業が
みんなそうなっている可能性があるのですが、

多分、物理学や機械工学的な理論式を作ったりせずに
とりあえず製品を作ってみて実験し、
うまくいかないなら再度試作して・・・

という、試行錯誤で製品作りをしていると思うんです。

(もちろん、個人的な見解なので
ガッツリ間違ってる可能性は十分にあります)


そうなると、例えばコストダウンや
販売時期の調整で開発期間短縮をしなければならない場合には

・他社製品を分解して設計を丸パクリし設計期間を短縮したり
・自社の過去製品の形だけ変えたり

といった手法をとることになります。
(実際に僕の会社がこういった方法で設計やってます)


結果、どの会社も似たような製品や、
過去製品とそんなに変わらない製品が
市場にあふれることになります。


でも、これって、僕が大学で習った設計とは
やり方が異なるのです。

大学で習う設計は、
まず最初に作りたい製品の「理論」を作ります。

これまでメルマガで紹介してきましたが、
物理の問題のような丸と四角と矢印を紙の上に書いて
物理モデルを作成し、

それをもとに、頭から湯気を出しながら
理論式をひたすら立てていきます。

その理論式が正しい事を、実験装置を作って
実験・証明したのちに、

作った理論式を使って計算し、
計算結果を元に製品の設計に入るのです。

(もちろん、摩擦係数の出し方など、
機械工学でまだ結論が出ていない分野が入るせいで

どうしても理論が作れない部分は
試作して実験になりますが・・・)

この方法であれば、
製品の機構や形状を大胆に変えても
理論的にできることが保証されますし、

寸法値などは理論から計算することで、
ある程度まで絞り込めるので、

過去のものや他メーカーとは一線を画すような
本当に新しい製品を設計できるようになります。


おそらく、多くのモデルガンメーカーさんは

これまでの経験則によって、
寸法やばねを大雑把に選定し、
実験と修正を繰り返す事で

製品を作ってきたのだと思います。

この手法は、理論を作る手間暇が省けて
開発期間を短縮できるのですが、

欠点として、

「ノウハウを持っている人あるいは会社が
いなくなったら作れなくなる」

ということがあります。

モデルガンがエアガン・ガスガンに比べて
売れない製品で

社長さんや一部の社員の情熱で
支えられているものであるならば

彼らがモデルガン作りをやめたり
作ることができなくなった時点で
この趣味は消えてしまいます。

でも、彼らが経験と勘で作ったものを
科学的に分析して理論を作り

機械工学の勉強をすれば誰でも理論を使って
モデルガンを設計できるようにする。

こうすることで、作ってくれる人がいなくなっても
また必要になった時に作ることができるようになります。


昔流行ったものって、
何十年か後にまた流行ることがあります。

でも、それは、その製品が何十年か後でも
「作ることができる」ことが大前提にあります。

作ることができる人が
事情があって作るのをやめざるを得なかったり
作れなくなってしまったりした場合は
「また流行る」ことは絶対にないです。

だから、理論化して、
作れる人がいなくなったとしても
また復活できる種は残したい。

あわよくば、自分に十分なお金と時間が万が一できたら
自分自身が「作る側」にまわってやりたい!
(サラリーマンの身の上では夢のまた夢ですが(笑)

だから、理論を作ってます。

この理論づくりは
なんだかタイムカプセル作りをしているような
そんな感覚がします。

・・・理由としてはちょっと後ろ向きな活動なんですけどね。


今日は思った事を書きました。
ここまで読んでくださってありがとうございます。

今後、体調や心の調子を見ながら、
ガスガンのモデルガン化を進めますので
楽しみにしていてください。
(ちなみにKSC HK45をモデルガン化します)

あと、感想などございましたら
コメントという形で残していただければと思います。
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モデルガンの研究は「タイムカプセルづくり」” に対して2件のコメントがあります。

  1. MCAH より:

    モデルガンを作るにあたって必要なものは貴殿が言われるとおり技術は大切だと思います。
    私はこれに加え資金力と人脈が必要と考えます。資金は材料費やパーツを作ってくれる業者さんや設計図作成や組立をしてくれる人に支払うもので、製品が流通して回収でくるまでは自己資金で賄う必要があります。幾らくらいかかるのか…リバティチーフ(5万円)の生産数が500丁なので2,500万円でしょうか。オートマチックならマガジンのプレス代がプラス300万円。
    人脈ですが、パーツ業者さんも知らない人が頼んでもトイガンとはいえ銃のパーツ生産は恐れれと受けてもらえません。真正銃の製作に使われないことの担保というか保証(既存メーカーの口利き)が必要です。また、共用できるパーツはコスト下げるため売ってもらう必要があります。
    技術も大切てすが経済的な面からも見られては如何かと考えます。各メーカーの社長は高齢化が進んでいます。会社組織ですが社長の手腕や信用で回っているので、このままではモデルガンは途絶してしまいます。社長らと話すと色々なことが見えてきて、点が線で繋がってきます。長々と書きましたがモデルガン界を担うであろう貴殿に期待します。

    1. sho- mg より:

      こんにちは。
      コメントいただきありがとうございます。
      長文失礼いたします。

      おっしゃられていることは全くその通りで、
      技術だけでは机上の空論しかできず、
      製品を作るには資金を集める力が必要になります。

      銀行に出資の交渉に行ったり、出資者を募ったり、
      最近ではクラウドファウンディングなどもございますが
      どちらにせよ、人脈や信用なしにできることではございません。

      また、トイガンの製造ともなれば、コメントいただいた通り、
      「既存メーカーの口利き」というのは
      信用を得るという観点から必要でその通りだと思います。

      詰まるところ、
      技術・資金・人脈(信用)の三点が揃わないと
      トイガンメーカーとしてはやっていけない
      という事だと思います。

      (というより、どんな製造業でも
      上記三点が揃わないとものは作れないと思います)

      ・・・で、この三点について、今の自分を考えると

      ・資金:中小企業に勤めるサラリーマンなので生活には困ってませんが、
      起業なんて夢のまた夢です・・・

      ・人脈(信用):好き勝手に遊んでいる・研究している身のため、
      トイガン関係者の人脈等はございません。
      せいぜい、Twitterのフォロー・フォロワーさんの関係くらいです。

      ・技術:機械工学を学んでおり、現職で機械設計を行っているので
      理論や式を考え実験し確かめることはできますが、
      製造に関する細かいノウハウはございません。

      という、お恥ずかしい体たらくです。

      ただ、これらが全て揃うのを待つ前に、モデルガンの火は消えてしまいます。
      (というか、全て揃うことは今生ではない可能性の方が高い気がします(笑)

      なので、今の自分にできる事を考え、かつ、自分の興味もある事を考えた結果、

      「モデルガンそのものの研究と、その成果を使って欲しいモデルガンを作ること」

      という結論にいたったのです。

      ”モデルガン界を担うであろう貴殿に期待します。”

      というお言葉、ありがとうございます。

      しかし、本記事のような偉そうな文章を書いてはおりますが、
      私自身、上記のような力のない一介のマニアです。

      なので、とてもモデルガン界を担うような人間ではございません。

      そのため、自分のできる事をやっていきます。
      それがたまたま、モデルガンの技術的な面(理論研究)だっただけです。

      できる事をやった結果は、Twitterでも速報はしておりますが
      より詳細なものはメールマガジンにて配信しています。

      内容が機械工学、物理学的な内容になり
      とても専門的なため、

      製品レビューが
      主体のブログ記事とは媒体を分けております。
      (無料ですが、運動方程式とかエネルギー保存則とかバンバン出てきます。
      難しいこと書きまくってるメルマガです)

      ただ、

      飛行機が流体力学を
      エンジンが熱力学を
      耐震装置が機械振動学を

      ベースとして基礎理論が構築されているように
      機械の理論は、その機械を作る種となります。

      種がなきゃ、花は咲きません。

      その最低条件を、経験頼りの状態から
      次代に引き継げるような工学的な理論として

      もっと言えば、勉強すれば理解できるものとして
      残せないかな、と考えています。

      将来、モデルガンの火が一度途絶えたとしても

      誰かお金とやる気と人脈のある人が
      趣味の延長でモデルガンを作ってみようと思ったときや、

      そうでなくとも、
      モデルガンを大切に持ち続けていたマニアが
      もう部品が手に入らないから自分で部品を作ってみようと
      紙とペン(あるいはフリーソフトのCAD)をとったときに、

      なんらかの役に立てば良いなぁ、と思ってます。

      理論式があれば、紙とペンと電卓(あるいはエクセル)で
      計算することにより、モデルガンの動きをある程度予測できますから。

      ・・・って、大変に高尚っぽい事を言っておりますが、所詮は趣味です。

      途中で飽きたり、別の趣味ができたり、
      サラリーマンで稼いだお金を他に使いたくなったら即やめます!
      (いい人ができるとか・・・一生ご縁はないと思いますがね・・・)

      なので、こんな事を言ってしまって恐縮ではございますが
      どうか「あまり期待せずに」見守っていただければと思います。

      よろしくお願いします。

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